『理屈』(スクベル) ※R16 |
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| とても腹が立つが心底惚れているので今まで、 多少の無礼を許して来た偉すぎる俺。 「う゛ぉお゛い」 「っ!!」 バスルームの戸を何の断りもなく開けて何やら物を言おうとしたらしいが、 突然の襲撃に固まった俺の、全身をしっかりきっかり見るために口は停止、 「悪い」ともぞもぞ一言。(だったら開けんな) 髪洗いの間抜けな姿勢(頭に両手拘束されてる状態) なんて今まで誰にも見せたこと・・・むしろ裸自体。 「プライバシーの侵害」 不貞腐れたよう呟き、出たらどういびってやろうかと考える。 (あの糞鮫、王子のヌード拝見代どんだけ高いか思い知らす) 「ししし」 「なぁ」 「ッ・・・!」 まさかの再登場、投げられるものは石鹸くらい、・・・諦める。 「何で風呂なんか入ってやがんだぁ」 「・・・いつものことじゃん」 「覗いちまったじゃねぇかよ」 「え、何、逆ギレ?」 「どうしてくれんだぁ」 「おまえが勝手に見に来たんだし」 「見に来たんじゃねぇ、文句つけに来ただけだぁ! てめぇこれソファーに放っとくんじゃねぇ!踏んじまったろうがケツで!」 「ケツで?!・・・さ、最悪」 (いつもそれ俺頭につけてるんですけど) 「刺さったぞぉ」 「洗っとけよおまえ絶対洗っとけよ」 「誰が洗うか」 「洗わないと殺す」 「それよりだぁ」 待てよ、結局洗うの洗わねぇの、いや洗わせるけど。 「襲っていいのか悪いのかを聞きてぇ」 「・・・」 飛びすぎた展開に一瞬呆け、 思わずしゃがむ。 「・・・ふざけんな」 「喋くってる間もずっとダダ見せ状態で今更何照れてんだぁ、 むしろ俺等そろそろじゃねぇのか」 「何が」 「てめぇが奥手なのはわかってんだぁ、だから合わせて来たけどな、 結構今俺のほうはその気だ、やりてぇ具合だ、てめぇだってそれなり、 セックスの一つ二つ、経験はしてんだろぉ」 「・・・ない」 「・・・あ゛?」 「うしし」 「う゛ぉお゛い?!まじかぁ?!」 「本命とはね」 「・・・」 「大事にしたい関係はおまえが初めて」 「・・・っ」 馬面が歪む。渋い渋い赤面。 「ずりィだろぉ、その理屈はよぉ」 「ししし」 バンと戸を閉めたかと思うと、舌打ち。 去って行く足音。 (偉いじゃん) 次からは鍵くらい掛けてやろうと思う。
END
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Monday, 13, Aug | トラックバック(0) | コメント(0) | ●ヴァリアー | 管理
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