『人間時間』(三年後ツナザン+スクベル←雲雀)-7 ※R16 |
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| 数日経って今、イタリアの本部で沢田とザンザスは手を繋いで散歩している。 あのリング戦のメンツで揃っていたのはレヴィ・ルッスーリア・俺。 囃し立てられるのは三人だけ。他の者は沢田を異様に怖れていたし敬っていた。 「ボス、小僧を夫人にすればボンゴレはボスのものですものね! 応援します、このレヴィ・ア・タンの命尽きようとも御夫婦の愛の炎は絶やさせません」 「夫人は俺だ」 「ブッ・・・!」 「んまーッ!!そうなの!え?じゃあもう・・・」 「まあな」 「ちょ、ザンザス、そういうのは黙ってようよ、密やかなものにしようよ」 「うるせぇよ」 「良いじゃない良いじゃないもっと聞かせて」 「一昨日で二度目だ」 「ザンザスーッ!!!!」 「怒るな、うぜぇ」 「どうして君はそう恥じらいがないの」 「黙れ」 「っていうか、もう皆向こう行っててくれよ! 二人っきりにさせてくれ」 「む、しかし」 「いやよー、もっと色々聞かせて頂戴」 「庭園出たとこで待ってんぞぉ」 二匹、邪魔虫を除去してやるべく俺は沢田とザンザスに背を向ける。 掛け替えの無い主君として守る人間が、増えた。 今でも俺の唯一の主君はザンザス以外に無い。しかしその恋人だと言うならば、 それごと守るべきだと思う。ザンザスの幸福を願う。 俺の憧れと尊敬をすべて纏い、始めはその怒りの持つ強さ、力に惹かれて、 気付けば人柄ごと俺の中で、絶対の主君へと育ったザンザス。 毒の抜けた顔に失望するでもなく、微笑ましく思った。 「んもー、スクアーロの気ぃ利かせ魔」 「少しぐらい苦しめても罰は当たらん」 「私たちのボス、取られちゃったのよ?!悔しくないのー?」 「俺はもう胸が締め付けられる思いだ」 「あいつが満足してることに、俺たちが満足しねぇでどうする」 「でも・・・」 「あいつに従うってのは、あいつの感情にも従うことだ」 「くッ」 膝をついたレヴィに笑い掛ける。 三年、時の経つのは早いもので、人はいつも置いていかれる。 「ボスッ」 レヴィの悲鳴は芝生に消えた。
END
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Thursday, 01, Mar | トラックバック(0) | コメント(0) | ●ヴァリアー | 管理
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