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『人間時間』(三年後ツナザン+スクベル←雲雀)ー3 ※R16

「十代目」
「獄寺君」
「のこのこやって来やが・・・、いえ、いらっしゃってますよ、
 ザンザスの野朗」
沢田の指定した店舗の前、獄寺がいた。
「あの、宜しかったらご一緒できませんか、
 もし野朗がまた十代目に無理難題をふっかけたりしないよう見張・・・」
「いいよ、ありがとう獄寺君」
「しかし・・・」
「スクアーロも連れて来てるし、
 ザンザスも最近はずいぶん、俺に対して柔らかくなって来てる」
「そうでしょうか、俺には相変わらず我侭放題の傲慢馬鹿野朗に見えますが」
「ブッ」
(傲慢馬鹿野朗・・・ッ!?)
「最高だぜぇ、良いネーミングだぁさすがボンゴレの右腕だなぁ」
「あー?・・・まぁそりゃ、いや、まぁ」
右腕という言葉に照れているらしく、獄寺はニヤニヤしている口元を隠しそっぽを向いた。
「おいボンゴレぇ、いいんじゃねぇか?
 爆弾小僧の一人二人てめぇらの愛にゃ支障来たさねぇだろぉ」
「愛って・・・そんな、馬鹿、ザンザスに聞えるだろ!」
「聞えて欲しいんだろぉ?」
「いやまぁ、そりゃ、伝わればいいけどね、少しでもこの気持ちがさ」
「決まりだなぁ、じゃ俺は抜け・・・」
「待った!」
沢田は近頃随分、抜け目が無くなって来たと思う。
「頼むよ、おまえがいれば少しは警戒もとけると思うから」
「警戒?」
「この間迫りすぎちゃってね」
「ッ?!」
さらりと凄いことを言うお子様だ。
あの男に迫ったのか?!あまつさえ警戒されるぐらい押したのか?!
ベルの行き先ばかり気にしていた頭が、
ピコリと宴会用のハンマーでぶっ叩かれた衝撃に震えた。
「なんつーか、是非ともてめぇを警戒する奴を見てみてぇもんだ」
「可愛いよ、手握ろうとするとひっこめたりするんだ」
「ほぉー?」
傑作だ。口端が緩む。
日のほぼ沈んだ薄暗い辺りに、店の内から薄黄の灯りが漏れ、
がぜんこの食事に立会いたいと思う。
チリンと音の立つ戸から店内。内装は細かでいて癖が無い。
「学生の分際でシャレた店をよく知ってやがる」
「うん、まあ、ファーストフードの店とか、
 ザンザス嫌いみたいだし」
「ああ」
父親に似てきた沢田の広い背は、頼もしく見えていよいよ愉快だった。



Thursday, 01, Mar | トラックバック(0) | コメント(0) | ●ヴァリアー | 管理

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