『人間時間』(三年後ツナザン+スクベル←雲雀)-2 ※R16 |
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| 「おいボンゴレ・・・」 「は、はい!?」 脅すつもりは無かったが、心無しか声が低まった。 「ベルの奴にちょっかい掛けてるっつー雲雀ってガキは、 どんな奴だぁ?」 「ええッ?!しゅ、修羅場ぁ?!」 「ちげぇ!」 「ど、どうしようファミリー内が色事で抗争なんてー!」 「う゛ぉおい勘違いすんなぁ、こぞ・・ボンゴレ! 俺らはそんな大層な仲でもねぇんだぁヤってるだけで」 「いや、それは充分大層な仲なんじゃ」 「奴が俺をどう思ってるかはともかく、 俺は奴なんて穴ぐらいにしか思っちゃいねぇんだぁ、 だから、その、」 「フーン」 店内、ピリっと殺気が漂い、客が不審そうに辺りを見回す。 「ベル・・・!」 「雲雀が、おまえがここだって教えてくれたからさぁ、 せっかくお茶に誘われたんだけど断ってこっち来たのに、 そっかぁ、俺は穴か」 「う゛ぉおい!間が悪ぃーぞぉ!」 「何逆切れてんだよこの馬鹿鮫」 「ちょッ、落ち着けよ二人とも」 がたりと、わざわざ席を立って俺たちの間に割り込む組織の頭、まったく腰が低い。 「ボンゴレ、あいつ酷いよ~」 いつものごとく、要領の良い王子は権力者に取り入る。 そこそこに身長も伸び、大分がたいの良くなった沢田の胸は、 すっぽりとベルを飲み込む。 「ああ、うん、だよなぁ、やっぱ女の子側のほうが負担かかるんだし、 酷いよな、ああいう言い方」 「お・・・ッ」 ピキリとベルが固まり、よろよろと奴から離れる。 「違ッ、俺はッ、別に、確かに女役側だけど、うわっ、くそッ!! 何かッ・・・同情っぽく言うな!誰が女の子だよ?!むかつく!死ね!」 「え?!」 王子のプライドはやたらと高かった。 手の早い奴のナイフが飛び、しかしさすがというところか、 それをすべて避け沢田は困ったように笑う。 「な、なんかごめん、違った?」 「も、いい、皆死ね」 言い逃げるように寿司屋から姿を消したベルを見送り、 「ランボみたい」 知らず知らず沢田はベルを罵倒した。こっそり噴出す。 「なんつーか、すげぇなおまえは」 思わず感心の声を上げて、 「ありがとう、ところで頼みたいことがあるんだけど」 「おう、いいぜぇ」 面倒事、それをノリで安請け合いしてしまった。後悔。 「ありがとうスクアーロ」 まず、ザンザスの怒りを静める力と、 さり気無い統率力等々、元から一目置く相手ではあったが、 何より先ほどのベルへの一撃がみごとだった。 久しぶりに言い負かした(俺が負かしたわけではないが) ことで気分が良くなっていた俺は、 重大なことを見落としていたのだ。
去って行った、ベルの逃げ込んだ先について・・・
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Thursday, 01, Mar | トラックバック(0) | コメント(0) | ●ヴァリアー | 管理
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