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『自己分析』祝22巻記念ヤミウル― 1


関心が無いわけでは無くて、
むしろ興味深いと思っているのが本音だと、
それくらいわかっている気づいている、
自己の分析ぐらいできる。

(ヤミー)

図体ばかりでかく大雑把で馬鹿だ。
こんな奴・・・
とよく思うがもし失ったら寂しいと思う。
自己分析なんてしてどうなると意味の無いことだと、
何度思考したか知らない。

いつもいつもわかることは俺を不快にさせることばかりで・・・
それなのに己を探ろうとするこれはもう癖だと思う。

「ヤミー」
「あァ?」

この大男を見て思うこと感じること望むことそれは。
(知りたい知られたい声を掛けたい掛けられたい失いたくない傍に置きたい)
溜め息、思考と反して正直すぎる己の心が憎い。
だから覗かなければいいと探らなければいいと・・・、
いつも思っているのにやってしまう愚かさ。
いつもいつも、
巡りつくそれは馬鹿で大雑把で不細工で、
無駄にでかい片割れに対する想いばかりそれは、
しかも日に日に増して濃くなりそれでも表面、
変わらずに平坦な関係が保たれ、
思い立って進むのは簡単踏み込めと何度も命令する心に逆らう。
いざ行動すれば、踏み込む、
なんてことはきっとずっと思っているよりも容易でだからこそ、

思考は言い訳を求める。

「・・・痛むか」
「ハ?!」
「いや」
「・・・今何つった?」
「・・・」

すぐに報告に行かなければならないよりにもよって、
そんな意識を集中しなければならないことが目の前にあるのにこの始末。

わかってるんだ本当は。

関わりたくて関わられたくてそれでもおまえはあまりに馬鹿で。
不細工で大雑把でどうしようもないから恥かしい。
見栄か?

この大男と歩き同レベルだと思われるのが嫌だからからかそうか、
見栄かもしれない。


「驚きだなァおい」
「・・・」
「まっさかてめぇに労わられるなんてなァ」
「別に」
「おいおい」
「・・・」
「聞いたんだから返事くれぇ受け取れ」
「おまえは頑丈だ大丈夫まったくこたえてない無事だ、
 俺が気にすることではない」
「・・・」
「平気だと言え」
「あァまァ」
「・・・」

(そんなつまらなそうな顔をするな悲しくなるだろう馬鹿が・・・)

「・・・」

(俺がどれだけおまえに振りまわれているのかわかっているのかわかれ)
(いい加減気づけ気づいて行動を改めろそうだ傷だって本当は負うハズがなかった、
 いい加減気づけ気づけいい加減にしろ)

「その、
 ま、
 世話んなったな、・・・あん時、正直危なかったぜ、
 助かった」

「・・・っ」

ニカリと、
素直な表情馬鹿正直な、
感謝の言葉がむず痒い。

「おい?」
「・・・」
「ウールーキーオーラァアア?」
「・・・」
「おい」
「・・・」
「シカトかよてめぇすかしてんじゃねぇぞ」
「・・・」
「おいっ」

苦しいと感じ初めてもう駄目だと思った。
(好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ)


ほらだから覗かなければいいと・・・



Tuesday, 02, May | トラックバック(0) | コメント(0) | ●他CP | 管理

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