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『助言』(グリウル)※イルロイ混入 ―1  キリバン11111hitリク


「普段と反対の接し方をしてみる、
 というのはどうですか?」
「反対?」
効き返すとシャウロンは頷く。
通路の端、通り過ぎる者がちらちらと、
こちらを見てきたが気にしない。
「具体的にどんな・・・」
言おうとして、
「何の話だ」
遮られて振り返る。
「イールフォルト・・・」
「人間関係について、少し・・・」
シャウロンが説明をすると、
眉間に皺を寄せて俺を見、
ふと小馬鹿にした顔になって、
「ああ、」
なるほどな、とでも言いそうに頷く。
「対ウルキオラか?」
「・・・」
「よくわかりましたね」
「まぁな、・・・俺も一つ聞きたい」
「何でしょう」
「対ディ・ロイか?」
「なぜわかる」
「・・・」
「ディ・ロイと何かあったんですか」
「避けられている」
「?」
「・・・常々俺は、カスに、おまえをカスカスと貶すのは、
 それが俺の愛の形なのだと説明していた。
 だから奴には俺の、暴言の数々を愛の言葉に変換するよう、
 言い聞かせて来ていたんだ。
 が、それが災いして先日、普通に「愛している」と、
 囁いたらそれを、恐らく逆に、変換したようで、
 次の日から急に態度が他所他所しくなり・・・」
「ぶはっ!!!!何だそりゃ」
「つまり貶し文句を愛に、愛の言葉を暴言に、
 逆変換する機能がディ・ロイに備わってしまっていたんですね」
「・・・そのようだ」
「コントかっつーの」
笑いながら指摘すると気難しそうにイールフォルトは息をつく。
「グリムジョー」
その横でシャウロンが真顔で、俺を見つめる。
「あ?」
「今の失敗例から検討してみたんですが、」
「失敗例?!」
間髪入れず聞き返したイールフォルトを無視し、
シャウロンは続ける。
「普段と反対の行動、は無しです、危険です。
 下手をすると破局になるようですから」
「は、破局・・・っ?!」
「実は貴方の前にウルキオラも私のところに来ていまして、
 彼にもさっきと同じように、
 『普段と反対の』と、伝えてしまっています。
 ・・・ですが今、それが誤りであるとわかりました。
 貴方から訂正しておいてあげて下さい」
「おう」
「待て、破局、とか失敗とか破局とか!
 言い直せ、まだ終ってない、終ってないぞ!」
「元気出して下さい、カウセリング、付き合いますよ?」
「カスッ、カスはどこだー!」



Sunday, 25, Jun | トラックバック(0) | コメント(0) | ●グリウル | 管理

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