『助言』(グリウル)※イルロイ混入 ―2 キリバン11111hitリク |
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| 大騒ぎするイールフォルトとシャウロンを背にその場を去る。 公共の部屋を覗きそれから人気の無い通路を彷徨う。 目的の人物は見当たらず自室に戻ると、 「グリムジョー」 (ありえねぇ) 部屋の前で静かに佇む、ウルキオラ。その、 凛とした立ち姿に見惚れつつ俺は、 口をぱくぱくと動かし汗をだらだらと流す。 (おまえ俺を訪ねるとか一度だってしたことなかったろうが) 「どうした、どこか具合でも悪いのか?腹か?摩るか?」 すたすたと近づいてきてそっと、穴の上あたりに触れる。 (指細ぇ・・・) 「よく鍛えられて見栄えの言い腹筋だ、 どうしたらそんな身体が作れる?天賦のものか? 生まれ持ってスタイルがいいのか、おまえは。 羨ましいな・・・」 「・・・お、おい」 そっと細い肩がこちらに寄って、胸に小さな額が押し付けられる。 おずおずと黒い髪に指を絡めて言葉にならない言葉を脳内で叫ぶ。 「ウ、ウルキオラ・・・さん?」 「なんだ?」 見上げられた顔には優しげで神秘的な微笑みが浮かんでいた。 「あの・・・ 俺、」 「どうした?らしくないぞ、言いたいことがあるなら言え」 「でも・・・」 「伝えてくれ、お前の声がもっと聞きたい」 ふと見ると鎖骨まで下げられた服の中が見える。 白い肌、細い骨格。 「だーっ」 「グ・・・」 「だーっ」 「どうし・・・」 「だァアアアアアーっ!!!!」 「何が・・・」 「そりゃこっちのセリフだっ!夢か?!夢なのかこれは?! 俺はどこだ!おまえは誰だ、ここは・・・」 ぷつん、 音がして視界が閉じる。 鼻から何か液体、 が、とくとくと溢れている感触。
「聞いてないぞ」 気がつくとウルキオラの怒声。 「おまえが、反対の行動が良いと言うから俺は、 恥をしのんで・・・」 「すみません」 どうやらシャウロンと何か話をしているようで、 「グリムジョーが馬鹿になったら俺のせいだ」 「・・・」 「喚いて、わけのわからない事をほざき倒れた。 ・・・あれは馬鹿の兆候だ」 (どんな兆候だ) 「仲を、少し改善したかっただけなんだ、悪意は無い」 「・・・」 「と、おっしゃってますがグリムジョー」 「あァ」 「起きてたのか」 「・・・」 「ウルキ」「まったく貴様が伝言役の任一つ、 まっとうにこなせんものだから、 俺が恥を掻いたろう、この役立たずめ、 泣いて謝れ」 「・・・っ」 「もしくは三度回って「だー」と叫べ、それを一発芸にしろ。 他の者にわけがわからなくとも俺だけは笑ってやる、どうだ」 「どうだじゃねぇ」
ガタン、
そこで突然物音、 見回すと俺の寝ていた場は広い医務室のようで、 仕切りの向こう、隣からの物音。 「何でそうなんだよ!」 「そうとしか取れん!」 言い争う声、 (あいつらか・・・) 「わけわかんねぇ、ちょっと距離取っただけだろ!」 ディ・ロイの変に掠れた咽喉がひゅぅと鳴った。 痴話喧嘩真っ最中のようだ。 「その距離が問題なんだ!あれは、どう見ても完全に、 俺を避けていただろうが! 口も利かないというのはやり過ぎだ!カス! この出来損無い、考えなし!何とか言え!」 イールフォルトが叫ぶ。 どうやら事態は核心に迫っている時らしい。 「だって嬉しかったんだもん!あん時、普通に、 俺のこと愛してるって、言ってくれたからイールが、 元に戻って、いつもみてぇに貶される前に、あん時の嬉しさが、 薄れる前に記憶の中に刻み込んで置きたくて、 ・・・大体無理あんだよ!
カスだとか殴らせろだとか殺すだとか、 そんなんで喜べるかよ馬ー鹿、 マトモなこと言えるんなら言え、 脳内変換とかできるほど俺、質の良い脳ミソねぇから!」 「このカスがっ」 「カスって言うな!」 「カスカスカスカスカスカスカス」 「うわぁ、もう泣きてぇ」 「ディ・ロイ」 「っ」 「好きだ」 「イール・・・」
「うっぜぇーっ!」
怒鳴ると仕切りが動き、イールフォルトが顔を出す。 「邪魔するな」 「黙れ、うぜぇんだよおまえらっ、 ・・・とにかく ・・・ あれだ、
・・・だーっ!」
「わけがわからん」 俺の背でウルキオラの静かな笑い声があがる。 シャウロンの助言は案外にいつも役立つ。
END
大変お待たせしてしまってスミマセン! 宮琉麗に限りお持ち帰り自由ですv グリウル、・・・頑張ってみました。
でもめっちゃイルロイがしゃばった結果に!
イルロイなんだかグリウルなんだかって感じですが、 どうぞ受け取ってやって下さい。
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Sunday, 25, Jun | トラックバック(0) | コメント(0) | ●グリウル | 管理
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