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カテゴリーの『取扱について』を読んで下さい。
 



『苦手』(レヴィ→ベル) ※青くて痒いです。



苦手だ。
という表現が一番しっくりくるだろう。

「なぁ」
声を掛けられて焦る。
「マーモン知らない?」

「・・・」

「・・・~よね!」
一瞥、
俺を見て流れるような独り言をし踵を返す。
(・・・)
「待て」
「何」
「まだ何も・・・」
「言わなくたってわかるよ、知らないって顔してる」
「・・・ああ」
「じゃ」
「待て」
「何」

苦手だ苦手だと思いながらどうにかして、
関わろうとするのだから矛盾している。

「・・・探してやろうか」
「マジ?」
「・・・」
「うわ、どしちゃったのやっさしーなぁレヴィ!」
「俺は向こう、おまえは・・・」
「あのさ」
「なんだ」
「凄い、言いづらいけど良いよ別に、
 たいした用じゃないし・・・」
「・・・」

落胆・・・
こんなことで気を落とす自分に信じられなかった。
(些細すぎる)
どうして、
こんな小さなことに一喜一憂するんだ。

「まぁその、
 話し相手になってもらおうとかそんなトコだからさー
 レヴィが変わりになってくれちゃったりなんかすればいいわけでー」
「・・・?」
「実は俺レヴィのこと苦手だったんだけど、
 でも優しいトコあんのな、
 ちょっと話してみてぇなーとか思ったんだけど」
「何を」
「何ってー・・・雑談」
「俺は・・・」

(そんな暇は無い)

けど・・・

「その・・・」
「何?」
「つまらないかもしれん」
「いいよ別に気にしなーい!むしろ逆に新鮮」
「そうか」
「で何話す?」
「何でも」
「じゃー・・・っとぉ・・・ンー」

唸り出して傾けられた頭で、
キラリと光る装飾。

「・・・これは何でできてるんだ?」
「ん?」

とんと、頭上のそれに触れて見せて、
質問を繰り返す。

「誇りと歴史・・・なーんて」
「ほう」

聞いた予測としては金属の性質やら何やらの単語が、
返って来るだろうと思ったが、
意外にロマン気のある答え。
夢ごとを受けつけないはずの心が不意打ちのように温かに反応する。
笑みに包まれてすんなりとそのセリフは美しく耳に響いた。

「俺も聞きたかったんだその凄いジャラジャラしてんの、
 いくつくらいの時やりだしたの?」
「これは・・・」

するすると会話が流れる。
なぜだか、
たまらなく気分が高揚してそれが、
仕事でもなくやるべきことでもなく、

いわゆる、

意味の無い暇つぶしと呼ばれる時間だったというのに、



ひどく大切に感じた。



END



Monday, 24, Apr | トラックバック(0) | コメント(0) | ●ヴァリアー | 管理

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