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『関係』⑤(イルロイ) 破面高校生パラレル

警官が入っていった飲食店で、

グリムジョーから部活のサボリを叱咤するメールが届き、

ディ・ロイは悩んだ末今の、

事態を相談することに決めた。

思ったより早く帰って来た返事は予想外の内容だった。

『今部屋に緊急の全校集会の知らせが来た。

 全員、強制で出席だってよ。

 藍染様が直々に出て何か話するんだと・・・

 ・・・おまえのそれと関係あるかもな。

 集会は11:20開始、外出してる奴が帰ったらすぐだ。

 とにかく、

 おまえはイールフォルトのこと見失うんじゃねーぞ。

 俺もそっち向かうから場所教えろ』


(全校集会?)


「ディ・ロイ」

「何?」

「店を出る」

見ると警官とイールフォルトは店の出口に居てディ・ロイは慌てた。

チャドに会計(形の上でデザートモノを頼んだ)を任せて、

後を追いグリムジョーに返事を送る。

警官の向おうとしている方角の知らせと、

金を貸して欲しいという情けないお願いをまとめてボタンに託す。

追いついたチャドと共に、

地下鉄の駅に入りまたそれをグリムジョーに知らせる。

(地下鉄?)

普通警官なら車を使い動くだろうと思った。

その、疑問がくすぶりディ・ロイの注意力を奪う。

電車の待ち時間が思ったより長く、

明らかに苛着いているようである警官を見つめていたディ・ロイは、

ハッと息を呑んだ。



目が合ってしまった。



マズイ・・・と思った矢先上司のほうの警官が近づいて来る。

イールフォルトと同じ、学園の制服を身に付けたままのディ・ロイは、

考えてみればよく今まで見つからなかったと思えるほどに、

全身が目印でありあっという間に、

先ほどのイールフォルトと同じように腕を引っ張られていた。

けれどディ・ロイは捕まる前にチャドに、自身の携帯を素早く渡していた。

グリムジョーと連絡を取って欲しい。

それを目で訴えてから私服の、警官に向かってわざとらしく文句を付ける。

「痛っ?!何、何だよアンタらっ、放せよっ!

 ちょっ、駅員サーン!タスケテ!」

周りで傍観している者に目を向け続ける。

「タスケテ下サイ!変態サンデス!!」

「誰が変態か!」

ぎこちない日本語を使うディ・ロイに流ちょうな英語で、

上司の警官は叱咤し辺りの人間には日本語で弁解をしていた。

「朽木センパイ」

焦ったような声で部下が寄って来ると、

その後ろにイールフォルトがいた。

凄まじい、

と言える殺気でディ・ロイを睨み付けている。

「イールぅ・・・」

(どうしてそんな怒ってるのさ・・・

 こっちはもう喧嘩も忘れて今すぐ抱きつきたい勢いなんですけど・・・)

「どうしますコイツ?」

「連れて行く」

「でも、説明すれば爆だ・・・携帯持ってってくれるんじゃ・・・」

「今のおまえの口走りでそれは不可能になったな」

「・・・スミマセン」

(爆弾・・・)

一言も声を掛けてこないイールフォルトと並びディ・ロイは立たされていた。

警官は会話を続ける。

「しかし本当だったな、

 奴の学園の領内に入るまでは絶対に爆発しないというのは」

「さっき落っことされた時俺心臓止まるかと・・・」

「あれはあれでもし手に持っていれば感電死だ、

 プログラム式のガードが何重にも掛かっていると聞いた」

「へぇ」

「街中で爆発したらまずいからな」

「有毒ガスですもんね」

「ガス死に・・・嫌だな」

「・・・俺は、

 その言葉で別のもっと下品且つマヌケな死亡状態を想像しました」

「・・・」

「スンマセン」

「なぜ誤る」

「何となく」

会話が途切れ、電車が駅に入る。



Saturday, 08, Mar | トラックバック(0) | コメント(0) | ●高校生破面 | 管理

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