『関係』④(イルロイ) ※ゲスト死神悪役注意 |
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| 「君の通ってる学校の責任者がいるだろ、
藍染という男・・・
奴は昔、この世界では結構な地位にいた男だ。
そして、
ある日を境に脅威的な存在へと転身し消えた。
奴は、
一国家では追えないぐらいに協力な力を持ってる。
現に、
指名手配も捜査もまったくこの国ではされていない。
奴の力を皆怖れているし、
奴は、
海外、国内の犯罪者という犯罪者に、
保護されているからな。
そういう層の社会で奴は、
その影響力を考えると神的な存在なのだろう」
「・・・」
「多くの場合、
強大すぎる問題人物は野放しが鉄則なんだが、
・・・ある事実が発覚してから、
そうも言ってられないことがわかった。
そこで、
2年ほど前から我々は動き始めた」
「今週藍染は日本国内に丸1週間、
滞在するという話が出ている。
もし、
良かったら学園内で、
藍染を見かけたらすぐに、
我々に連絡をくれないか?
情報、それがどうしても居るんだ。
君以外にも何人か、
あの学園の生徒にこうして」
言葉を切り懐から携帯を出しイールフォルトに渡す。
「連絡を頼んでいる」
ここまで、
聞いていわゆる捜査協力、
の要請を受けているのだとイールフォルトは悟った。
(忙しい時に!)
苛つき、
目の前にいる二人の警官が憎らしく感じた。
(俺はカスを見つけ出すためにここまで来たんだ)
そうして、
携帯を付き返そうとしたその時、
茂みで、
男と抱き合っている見覚えのある顔と目が合う。
(・・・っ)
「な・・・っ」
あまりのことに手に押し込められた携帯を落した。
するとガコンと、
地に落ちた携帯から以上な程の電気が、
ビリビリと漏れ思わず息を呑む。
「あ」
恋次と呼ばれた警官がマヌケな声を上げ次に、
朽木と、
呼ばれた警官は舌打ちし突然、
ゴリと、
何かをイールフォルトの腹に当てる。
拳銃だった。
「もー、だから俺は反対だったんスよ、
危険人物に変わりはないんスから、
こんな面倒なことしないでとっとと消せばいいじゃないスか」
「・・・恋次、いくら未来の凶悪犯罪者と言えども・・・」
「わかってます俺だって、けど、いつこいつらが犯行に及ぶか・・・
犯人がわかってる、それで、防げる犯罪があるのに、
こんなまどろっこしいことをしてて、
何かあってからじゃもう・・・遅いじゃないスか」
部下の警官は黙り、溜め息をついた。
「一体何人いるんスか、犯罪者確実予備軍っていうのは・・・」
「わからん、予知プログラムは向こうの手にある、
我々ができることはあの男が集めた、危険人物に育つとされる者をこうして、
未然に消すことだけだ」
「・・・」
(犯罪者確実予備軍・・・?)
「だったらもう今すぐにでも消せば・・・」
「恋次」
窘められしゅんとした部下の頭に上司は手を置く。
「ここで消してしまっては、死体処理が面倒になるだろ」
「・・・」
「本部に連れて行く」
「本部に?
こいつ、おとなしく着いてきますかね」
「わからん」
「暴れたらどうするんスか」
「・・・仕方無い、その場で消す。
事後処理が難しくなるが、逃がし誤った情報を流され、
他の予備軍どもに警戒をされるようになるよりはマシだ」
「・・・」
「そういうわけだ、おとなしくついて来い」
「っ」
警官はイールフォルトの腹に再度銃をつき付け、
念を押すように言った。
イールフォルトの腹に当てられた銃は丁度ディ・ロイの角度から見えた。
その、
黒い鉄の塊が人の命を奪うことをディ・ロイは知っていたし、
それで、死んだ多くの者をディ・ロイは見てきた。
(イールッ!!)
叫ぼうとする口を分厚く大きな手が包むように塞いで、
イールフォルトを連れた警察官二人が公園を出るのを待つ。
「・・・」
ディ・ロイの身体は不安と緊張で震えだしていた。
「チャド!チャド今の、銃だ!銃だったんだよ?!
イール・・・殺・・・れちゃ・・・かもしんねぇ、
俺ッ、まだ喧嘩したままっ・・・なのに・・・っ」
「落ち着け」
背をゆっくりと摩り、
チャドは内心で動揺していた。
妙なことに巻き込まれてしまったというより、
警察という頼るべき機関に、
大切な者の命を脅かされているディ・ロイの心情、
それを思うと困った。
放って置けない。
そこでさきほどまで、
イールフォルトの居た場所に犬が近寄る。
壊れた携帯の残骸の匂いをしきりに嗅ぎ続けふんふんと、
鼻を鳴らしている。
「後を追うか」
チャドが呟く、
ディ・ロイは少し涙の溜まった目を上げ、
黙って頷く。
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Saturday, 08, Mar | トラックバック(0) | コメント(0) | ●高校生破面 | 管理
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