SS + P&C
 
カテゴリーの『取扱について』を読んで下さい。
 



リクエストSS グリロイ②


「嘘、ビビってんじゃねえぞこんくらいで、

 馬ー鹿」

「ビ、ビビってねえし馬鹿っていうな!

 もう知らねえ、嫌いだグリムジョーなんか、

 絶交っ!!」

くるりと、ディ・ロイが背を向けて、

「・・・おい」

「・・・」

「なんだよ何簡単に切れてんだよ、なあ」

「・・・」
グリムジョーが困ったような声を出すのも、

こういう時だけだ。

「ディ・ロイ、おまえ、

 らしくねーぞ機嫌なお・・・」「うっそぉ~!!!!」

「・・・」

「へへ、騙されたな?」

「ぐ・・・」



嘘をネタに、二人はもうすでに新しい遊びを

始めていることに気付いたシャウロンが、。

もう、この二人にはかまうまいと、

そっぽを向いたその時、

「ああっ!!!」

イールフォルトの濁点でもつきそうな悲鳴が聞えた。

「どうし・・・」

再び二人のほうへと視線を戻したシャウロンの目には、

グリムジョーがディ・ロイの顎に手をかけ、

その唇を奪っている光景が飛び込んできた。

一斉に、その場に音がなくなる。

皆、息を忘れて固まっている。

何が起こったんだいったい、

という疑問を抱えつつ見守っていると、

やっとグリムジョーが顔を上げる。

それから、未だディ・ロイの顎に、

手を掛けたままニヤリと笑った。



「俺実はおまえのこと好きだったんだぜ」

「・・・っ・・・え」

「嘘!!!」

「・・・は、ははは、う、嘘か、びっく、びっくりした」

明らかに動揺し、声の上ずるディ・ロイだが、

辛うじて笑うことができたようだ。

「っ、・・・嘘の嘘だ、笑うな」

その笑い声をグリムジョーが怒ったような声で遮る。

「どっちだよ!」

当然くる苦情に、グリムジョーは思い切り顔を歪めた。

「もうやめだこれ、飽きた!」

「なあ、何今の、グリムジョーっ!!」

「うるっさい、忘れろ」

「うわ、ひどい、グリムジョーは遊びでキスするんだ」

「ちげーよ嘘だ、嘘のために嘘の嘘ついたんだよ」

「なんだそれわけわかんねーよ」

「馬鹿、とにかく嘘なんだよ」

「意味わかんねーよ」



互いに真っ赤な顔で、

この衆人観衆の中恐らく、二人はまだ二人の世界にいて、

「シャウロン・・・」

「今のは見なかったことにしてやれ」

「でも今・・・」

「見なかったことにしてやれ」

関係も無いのに赤くなっているイールフォルトは、

ああいう、シーンを生で見てしまうと照れてしまう、

純情な男なのかもしれないと思い、シャウロンは心を痛めた。



「おうおうおまえらやるなあっ、へへ、熱いぞコラっ」

向かいでエドラドが絡みにいっているのを見送りながら、

機会があれば注意をしておこうと密かに心に決めたシャウロンから、



教育的指導の説教を受けるのは後日、

その時、二人の顔がゆでだこのようになっていたのは、

やはり衆人観衆に見守られていた。






Tuesday, 31, Jan | トラックバック(0) | コメント(0) | ●他CP | 管理

この記事へのコメント投稿はできない設定になっています
コメントはありません。


(1/1ページ)